ぬるきゅー(ぬるめのセキュリティ日記)

気になったセキュリティ関連ニュースのぬるめのメモ

組織的なアマゾン偽レビューの証拠が当のアマゾンのクラウドサービスから漏えい

とあるセキュリティ専門家がアマゾンのクラウドサービスで公開状態になっているデータベースを見つけたところが、アマゾンの偽レビューを組織的に行っている業者のデータだったとのこと。

www.pcmag.com

約1,300万件、7GBにおよぶデータには、販売業者が偽レビューを投稿した顧客とやりとりしたダイレクトメッセージの内容も含まれ、20万人以上がかかわっていたらしい。この組織的な偽レビュー投稿は中国発で、欧米を狙って行われていた。

関与していた販売業者は5つ星レビューが欲しい商品のリストを提供、顧客は参加登録し、Amazonで購入後、レビューを投稿。レビューが公開されたら顧客は販売業者にレビューのリンクを送信、業者は商品はそのままで代金を返金という、ありがちな仕組み。

こういう販売業者が明るみに出て、Amazonのレビューモデレーションがより厳しくなるのは一見良さそうなことにみえる。しかし、モデレーションが過剰になり、逆にAmazon自身が自社の利益のために、恣意的にサードパーティーセラーのレビューを削除することも起こり得るので要注意だ。

じっさい『POLITICO』によれば、Amazon社内で販売業者の売上データへのアクセス制限が不十分で、Amazonの従業員がそれらのデータを閲覧、Amazon自身が出品している商品の販売に有利になるように利用していたとされている。

www.politico.eu

Amazonが恣意的にサードパーティーセラーへの高評価レビューを厳しくチェックしている、なんていうことはないと信じたい。